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私たちの体にとって欠かせない脂質ですが、バランスが崩れると健康にさまざまな影響を及ぼします。「脂質異常症」や「高脂血症」と診断されると、将来的な動脈硬化や心筋梗塞などのリスクが高まるため、早めの対策がとても大切です。では、どのようにして脂質のバランスを整えていけばよいのでしょうか?治療の基本は、食事療法・運動療法・薬物療法の3つです。 このコラムでは、それぞれの療法についてわかりやすくご紹介していきます。

1.食事療法 食事のポイント

和食を基本とします。そのうえで
 
・早食いやまとめ食いはできるだけ避けるようにしましょう。
(食事は20分以上かけないと満腹にならず、早食いは食べ過ぎ に繋がります)
・よく噛んで食べるようにしましょう。
 (しっかり噛むことで痩せホルモンが出ます)
・朝食、昼食、夕食と3食をきちんととるようにしましょう。
・薄味を心がけましょう。
 (塩分摂取が多くなると、過食に繋がります)
・なるべく腹八分目にするようにしましょう。
・できるだけ外食は控えるようにしましょう。
 (外食は脂質や塩分摂取量が多くなる傾向があります)

また、栄養バランスのよさも大切です。その際に、気をつけることは以下のとおりです。

・コレステロールを多く含む食品は避けましょう。
  (卵黄、イカやエビ、貝類、動物や魚の内臓、魚卵など)
・マーガリンやファットスプレッド、ショートニング(食用加工油脂の一種)などの、
 トランス脂肪酸を減らし、魚や植物性の脂を多くしましょう。
・アルコールを控えましょう。
 ビールだと中瓶1本、日本酒の場合180ml、焼酎なら100ml程度、ワインは200ml程度まで。

2.運動療法 無理なく続ける運動習慣

食事療法とあわせて、治療の基本となるのが運動療法です。有酸素運動を毎日30分以上行うように心がけ、継続して行うことが大切です。「少しきついけど続けられる」感覚が良いとされています。

日常生活の中で運動する時間を作ることはとても大変ですし、継続することはさらに大変だと思います。
その場合は、今の生活をあまり変えずに始められる運動がおすすめです。たとえば、通勤時に「1駅分だけ歩いてみる」「通勤時にあえて遠回りする」「エレベーターやエスカレーターがあってもなるべく階段を使う」などです。さらに、運動を楽しむ工夫も継続の大きな助けになります。
たとえば、音楽をイヤフォンで聞きながらウォーキングをすると、リズムに乗って気分よく歩けるため、時間があっという間に感じられます。また、YouTubeなどの動画を見ながら室内で運動することで、飽きずに楽しく続けられるという声も多くあります。

楽しみながら続けることが、長期的な健康維持につながります。まずは、最低でも週3回など目標を設定し、少しずつ習慣にしていきましょう。

3.薬物療法 治療薬の役割

まず前提として、お薬を飲んだら生活習慣の改善が不要になるわけではありません。脂質異常症(高脂血症)の治療は、生活習慣の改善が基本にあり、薬物療法はあくまでも、目標値に至らない脂質の値をコントロールするための補助治療です。遺伝的に脂質異常症となっている方は食事療法だけでは改善しないことが多いため医師の指示に従って薬物療法を行って下さい。
脂質異常症(高脂血症)の代表的なお薬は、大きく分けて3種類があります

主にLDL(悪玉)コレステロール値を下げる薬剤 
・スタチン系製剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤):肝臓でのコレス テロールの合成を抑制します。
代表的な薬剤名:ロスバスタチンカルシウム(商品名クレストールなど)、アトルバスタチンカルシウム(商品名リピトールなど)、ピタバスタチンカルシウム(商品名リバロなど)、プラバスタチン(商品名メバロチン)

・陰イオン交換樹脂(レジン):胆汁酸に吸着し、コレステロールを便として排泄させるお薬です。
代表的な薬剤名:コレバイン、クエストラン

・小腸コレステロールトランスポーター阻害剤:小腸からのコレステロールの吸収を阻害します。
代表的な薬剤名:エゼチミブ(商品名ゼチーア)

・PCSK9阻害薬:PCSK9というタンパク質の働きを阻害することで、肝臓にLDLコレステロールが
取り込まれ、血液中のLDL-コレステロールは低下します。高額な注射です。
代表的な薬剤:エボロクマブ(商品名レパーサ)、アリロクマブ(プラルエント)

コレステロール値と中性脂肪値を下げる薬剤
・ニコチン酸誘導体製剤
代表的な薬剤名:ユベラN、コレキサミン、ペリシット

中性脂肪値を下げる薬剤
・フィブラート系薬剤:肝臓での中性脂肪の合成を抑制します。
代表的な薬剤名:ペマフィブラート(商品名パルモディア)、ベザフィブラート(商品名ベザトールSR)、フェノフィブラート(商品名リピディル・トライコア)

・多価不飽和脂肪酸塩(EPA・DHA製剤)
代表的な薬剤名:イコサペント酸エチル(商品名エパデール)、オメガ-3脂肪酸エチル(商品名ロトリガ)

実際は、患者さん一人ひとりに合わせてどのような作用を求めるのか、既にどんな薬を服用しているのか、併発している疾患があるのか、といった要素を、年齢と掛け合わせて総合的に判断し、使用する薬剤を決定します。特に専門医との連携が必要な方を以下に示します。
 
・遺伝的要素が濃厚な方
・家族性高コレステロール血症の可能性が高い方
・早発性動脈硬化性疾患(男性55歳未満、女性65歳未満)のご家族がいらっしゃる場合
・TGが500mg/dL以上で治療の効果が不十分な場合
・HDL-Cが30mg/dL未満の場合
・薬物療法の効果が不十分な場合

また、食事療法や運動療法を行うことで症状が改善されることもあります。薬剤量は症状に合わせて適宜、増減されることがありますので、医師の指示通りに服用をしてください。
薬物療法の結果、検査値が良くなったとしても、自己判断で服用を止めてはいけません。薬は全体のバランスをみて処方されていますので、減薬したい場合は医師と相談して治療方針を決めましょう。

4.生活習慣病外来と相性のいいオンライン診療

当院の生活習慣病外来では、高血圧、高尿酸血症(痛風)、脂質異常症などの生活習慣病に対する診療を、オンライン診療を活用しながら行っています。継続的な診療が必要な生活習慣病だからこそ、続けやすいオンライン診療がおすすめです。薬の処方だけでなく、食事や運動などの生活指導も丁寧に実施しています。
「通いやすさ」「専門性」「継続しやすさ」がそろっていることが、Dクリニック東京ウェルネスの生活習慣病外来が多くの方に選ばれている理由です。ご自身の健康を無理なく、そしてしっかりと守っていくために、オンライン診療という選択肢を取り入れてみてはいかがでしょうか?
※初回は対面診療を推奨(再診以降オンライン診療)


監修
Dクリニック東京ウェルネス
相良郁子

オンライン診療で、あなたと医療をつなぎます

【略歴】
長崎大学病院 第一内科(内分泌代謝班)
長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 博士号取得
長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 地域包括ケア教育センター 助教
長崎大学保健センター 助教(長崎大学病院専属産業医)
Dクリニック東京ウェルネス(長崎大学 保健センター客員研究員)
【認定資格】
日本内科学会総合内科専門医
日本内分泌代謝内科 専門医
日本糖尿病学会 専門医
日本甲状腺学会 専門医
日本医師会認定産業医
臨床研修指導医
厚生労働省指定オンライン診療研修修了

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